【話の肖像画】タレント・木梨憲武(52)(4)世界一変なヤツの絵
絵の世界も最初はテレビ番組で憲太郎という巨匠芸術家の役から。岡本太郎先生みたいなのです。そういう感じでしたので、とっかかりで非常に気持ちが楽でした。「今まで絵なんて描いたことないのに」とか言って困るような感じではありませんでした。非常に楽しく、テレビのショーとして始めさせていただき、20年がたちました。
〈細かに描き込んだ風景画には街の空気が流れ、自由な色使いが目を奪い、オブジェには遊び心があふれる。作品を高く評価したアーティスト、日比野克彦さんの勧めもあって、平成6年から個展を開いている〉
自分の日常で起きたことを絵日記のでかい版にしている感じです。そんな表現の仕方で、まあ色と形で自由に示しています。毎回、色もタッチも少しずつ変わりますし、また時間がたつことで変化してきています。作りたいものが平面だけじゃなくて、ある時はオブジェに行ったり、今度はガラスへと来たりします。興味あるもの全てに対して、ど素人である私が思うままに参加させていただいているという感じです。だから楽しい。飽きないですね。
食べ物のリポートでも、何か上手なことを言ったり、ただこのお店に興味を持ってくださいというのではなく、「あっ、これはうまい!」「大丈夫。間違いなし」というのだけをお届けしています。自分の実感を伝える。それはどの番組でもそうです。そして色と形で思ったことを表現する絵でも同じことです。テレビでやっていることと絵を描くことは変わっていないつもりです。テレビはチームプレーですが、描いているときは1人で描いていることもあるし、打ち合わせ中に描いていることもあります。ひとりぼっちも、たまにはおもしろいものです。
〈心の動くままに描きたい。それは少年期に体験し、求めてきたことだ〉
母方のいとこで3つ年長のトシ坊、その弟とオレの3人でよく遊んでいて、絵を描く大会が繰り広げられていました。トシ坊兄貴から「世界一不良のヤツを描け」とお題が出る。えらく広い可能性があるお題ですよね。「世界一変なヤツを描け」とかもあって、それはどんな方向でもいいわけです。三人三様で挑戦しましたが、出来上がってみるとトシ坊には誰もかなわなかった。
トシ坊の絵は、それは確かに世界一変で、世界で一番の不良に見える。そこで「参りました」ということになります。オレが小学校の4、5年生で、兄貴は中学1年くらいだったと思いますが、「巨人の星を描け」「タイガーマスクだ」とか言って描いてみると、漫画家さんくらいうまかった。タッチも全然違うし、同じテーマでも出てくるものが全く違っていました。思いを形にすることのおもしろさを知りました。(聞き手 谷口康雄)
Source : http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140522/ent14052203240002-n1.htm