【MANGAレビュー】「いちえふ」第1巻発売 「真実」でなく現実描く
東京電力福島第1原子力発電所の元作業員、竜田一人さん(49)のルポ漫画『いちえふ』(講談社「モーニング」連載中)の単行本第1巻が23日に発売される。1F(いちえふ)とは、福島第1原発のこと。竜田さんは東日本大震災後の平成24年6月から約半年間、1Fで働いた。1巻では、作業員の日常や首都圏のハローワークから1Fにたどり着くまでの曲折が、筆描きの緻密な絵で再現されている。「ほとんど記憶で描いているけれど、結構細かく覚えている。それだけ印象的だったってことなんでしょうね」と竜田さん。
海外メディアも報じる話題作だが、描かれるのは普通の職場とそう変わらない日常の光景だ。「潜入とか告発のためじゃなく、働くために1Fに行った。描いているのは『真実』ではなく、あくまで僕が見たり聞いたりしたこと」
1Fで働く作業員の多くが地元の人々。作中、ベテラン作業員がいう。「住む所奪われて怒らねえわげがねえべぇ。だげども事故を起こしたのは俺たちの職場なんだっぺ」。担当編集者の篠原健一郎さんによると、福島県の読者からも「1Fや作業員の現実を知ることができた」など、多くの激励メールが届いたという。
1巻には24年夏までの出来事を収録。「漫画を描くうちに現場の記憶がよみがえり、さらに描きたいことが増える」と竜田さん。「早く1Fに戻って、今度は高線量の現場でも働きたい」 (戸谷真美)
Source : http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140423/ent14042311150007-n1.htm